ガイド
基本的な使い方
- インストール
- はじめに
- Vue インスタンス
- テンプレート構文
- 算出プロパティとウォッチャ
- クラスとスタイルのバインディング
- 条件付きレンダリング
- リストレンダリング
- イベントハンドリング
- フォーム入力バインディング
- コンポーネントの基本
コンポーネントの詳細
- コンポーネントの登録
- プロパティ
- カスタムイベント
- スロット
- 動的 & 非同期コンポーネント
- 特別な問題に対処する
トランジションとアニメーション
- Enter/Leave とトランジション一覧
- 状態のトランジション
再利用と構成
- ミックスイン
- カスタムディレクティブ
- 描画関数とJSX
- プラグイン
- フィルター
ツール
- 単一ファイルコンポーネント
- テスト
- TypeScript のサポート
- プロダクション環境への配信
スケールアップ
- ルーティング
- 状態管理
- サーバサイドレンダリング
- セキュリティ
内部
- リアクティブの探求
移行
- Vue 1.x からの移行
- Vue Router 0.7.x からの移行
- Vuex 0.6.x から 1.0 への移行
その他
- 他のフレームワークとの比較
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- チームに会おう
v2.x 以前のドキュメントです。 v3.x のドキュメントを見たい場合はこちら
TypeScript のサポート
最終更新日: 2020年11月7日
Vue CLI は、TypeScript ツールのサポートを組み込みで提供します。
NPM パッケージ内の公式型宣言
静的型システムは、特にアプリケーションが成長するに伴い、多くの潜在的なランタイムエラーを防止するのに役立ちます。そのため、Vue は TypeScript 向けに公式型宣言を提供しており、Vue コアだけでなく Vue Router と Vuex も同様に提供しています。
これらは NPM に公開されており、そして最新の TypeScript は NPM パッケージ内の型宣言を解決する方法を知っています。つまり、NPM でインストールした時、TypeScript を Vue と共に使うための追加のツールを必要としません。
推奨構成
// tsconfig.json
{
"compilerOptions": {
// これは Vue のブラウザサポートに合わせます
"target": "es5",
// これは `this` におけるデータプロパティに対して厳密な推論を可能にします
"strict": true,
// webpack 2 以降 または rollup を使用している場合、ツリーシェイキングを活用するために
"module": "es2015",
"moduleResolution": "node"
}
}
コンポーネントメソッド内で this
の型をチェックするには strict: true
(もしくは最低でも strict
フラグの一部の noImplicitThis: true
) を含める必要があることに注意してください。
より詳細なことについては TypeScript compiler options docs を見てください。
開発ツール
プロジェクト作成
Vue CLI 3 は TypeScript を利用する新規のプロジェクトを生成する事ができます。次の手順で開始してください:
# 1. インストールされていない場合、 Vue CLI をインストールしてください
npm install --global @vue/cli
# 2. 新規のプロジェクトを作成し、続いて "Manually select features" を選択して下さい
vue create my-project-name
各エディタによるサポート
TypeScript による Vue アプリケーションを開発するために、すぐに利用できる TypeScript のサポートを提供する Visual Studio Code を使用することを強く勧めます。単一ファイルコンポーネント (SFC) を使用している場合、SFC 内部で TypeScript インターフェイスと他の多くの優れた機能を提供する素晴らしい Vetur 拡張 を入手してください。
WebStorm も TypeScript と Vue.js の両方に対してすぐに利用できるサポートを提供しています。
基本的な使い方
Vue コンポーネントオプション内部で TypeScript が型を適切に推測できるようにするには、Vue.component
または Vue.extend
でコンポーネントを定義する必要があります:
import Vue from 'vue'
const Component = Vue.extend({
// 型推論を有効にする
})
const Component = {
// これは型推論を持っていません、
// なぜなら、これは Vue コンポーネントのオプションであるということを伝えることができないためです。
}
クラススタイル Vue コンポーネント
コンポーネントを宣言するときにクラスベース API を使用する場合は、公式にメンテナンスされている vue-class-component のデコレータを使用できます:
import Vue from 'vue'
import Component from 'vue-class-component'
// @Component デコレータはクラスが Vue コンポーネントであることを示します
@Component({
// ここではすべてのコンポーネントオプションが許可されています
template: '<button @click="onClick">Click!</button>'
})
export default class MyComponent extends Vue {
// 初期データはインスタンスプロパティとして宣言できます
message: string = 'Hello!'
// コンポーネントメソッドはインスタンスメソッドとして宣言できます
onClick (): void {
window.alert(this.message)
}
}
プラグインで使用するための型拡張
プラグインは Vue のグローバル/インスタンスプロパティやコンポーネントオプションを追加することがあります。このような場合、TypeScript でそのプラグインを使用したコードをコンパイルするためには型定義が必要になります。幸い、TypeScript にはモジュール拡張 (Module Augmentation) と呼ばれる、すでに存在する型を拡張する機能があります。
例えば、string
型をもつ $myProperty
インスタンスプロパティを定義するには:
// 1. 拡張した型を定義する前に必ず 'vue' をインポートするようにしてください
import Vue from 'vue'
// 2. 拡張したい型が含まれるファイルを指定してください
// Vue のコンストラクタの型は types/vue.d.ts に入っています
declare module 'vue/types/vue' {
// 3. 拡張した Vue を定義します
interface Vue {
$myProperty: string
}
}
上記のコードを(my-property.d.ts
のような)型定義ファイルとしてあなたのプロジェクトに含めると、Vue インスタンス上で $myProperty
が使用できるようになります。
var vm = new Vue()
console.log(vm.$myProperty) // これはうまくコンパイルされる
追加でグローバルプロパティやコンポーネントオプションも定義することもできます:
import Vue from 'vue'
declare module 'vue/types/vue' {
// `VueConstructor` インターフェイスにおいて
// グローバルプロパティを定義できます
interface VueConstructor {
$myGlobal: string
}
}
// ComponentOptions は types/options.d.ts に定義されています
declare module 'vue/types/options' {
interface ComponentOptions<V extends Vue> {
myOption?: string
}
}
上記の型定義は次のコードをコンパイルできるようにします:
// グローバルプロパティ
console.log(Vue.$myGlobal)
// 追加のコンポーネントオプション
var vm = new Vue({
myOption: 'Hello'
})
戻り値の型にアノテーションをつける
Vue の宣言ファイルは循環的な性質を持つため、TypeScript は特定のメソッドの型を推論するのが困難な場合があります。この理由のため、render
や computed
のメソッドに戻り値の型のアノテーションを付ける必要があるかもしれません。
import Vue, { VNode } from 'vue'
const Component = Vue.extend({
data () {
return {
msg: 'Hello'
}
},
methods: {
// 戻り値の型の `this` のために、アノテーションが必要です
greet (): string {
return this.msg + ' world'
}
},
computed: {
// アノテーションが必要です
greeting(): string {
return this.greet() + '!'
}
},
// `createElement` は推論されますが、`render` は戻り値の型が必要です
render (createElement): VNode {
return createElement('div', this.greeting)
}
})
型推論やメンバの補完が機能していない場合、特定のメソッドにアノテーションを付けるとこれらの問題に対処できます。--noImplicitAny
オプションを使用すると、これらのアノテーションが付けられていないメソッドの多くを見つけるのに役立ちます。
プロパティにアノテーションをつける
import Vue, { PropType } from 'vue'
interface ComplexMessage {
title: string,
okMessage: string,
cancelMessage: string
}
const Component = Vue.extend({
props: {
name: String,
success: { type: String },
callback: {
type: Function as PropType<() => void>
},
message: {
type: Object as PropType<ComplexMessage>,
required: true,
validator (message: ComplexMessage) {
return !!message.title;
}
}
}
})
バリデータが型推論できないかメンバの補完が機能していない場合、期待される型引数付きでアノテーションするとこれらの問題に対処できます。